多くの女性が一度は経験があるのではないでしょうか、デリケートゾーンのかぶれによる不快感。
生理中やおりものが多い時期にこういったデリケートゾーンの不快感を感じる事が多いことから、出血やおりものが原因であることは想像できますよね。
今回はどうして出血やおりものによって皮膚がかぶれをおこしてしまうのか、pH(ペーハー)バランスの乱れという、ちょっとマニアックな視点でみていきたいと思います。
目次
pHとは?
pHとは(ペーハー)とは水素イオン濃度を表す単位のことで、pH7.0を中性、それより数字が小さいほど酸性、7.0より数字が大きくなるほどアルカリ性となります。
pH7.0の中性より数字が小さくなればなるほど酸性に傾き、殺菌能力が増していきます。
反対に、pH7.0より数字が大きくなればなるほどアルカリ性に傾き、殺菌能力が落ちていきます。
おりものによる肌のpHバランスの乱れ
膣内(おりもの)のpHは3.8から4.5の酸性に傾いた状態が正常です。
膣などの粘膜は雑菌に弱く、嫌気性菌が繁殖しやすい環境です。
これを防いでいるのが乳酸菌です。正常な状態の膣内は乳酸菌の浄化作用により酸性に保たれ、嫌気性菌の繁殖を抑え込んでいます。
一方、皮膚の正常なpHは4.5~6.0の弱酸性です。
※肌のpHについて興味のある方は、前回紹介したこちらを参考にしてみて下さい。
もちろん膣周辺の皮膚も弱酸性に保てれている必要があります。
女性はホルモンの関係でおりものの分泌が活発になる時期がありますよね。
そんな時に分泌がふえたおりものが肌に触れ続けることで、膣周辺の皮膚のpHバランスが乱れてしまい、ヒリヒリとした不快感や痒みなど刺激性の接触性皮膚炎を引き起こしてしまうのです。
生理による肌のpHバランスの乱れ
血液のpHは7.3~7.4のアルカリ性が正常な数値です。
おりものと同じように、膣周辺の皮膚に血液が付着していると、肌はアルカリ性に傾いてしまいます。
アルカリ性の状態というのは殺菌する働きが弱い状態であり、多くの菌が住んでいる膣及び多くの菌が付着しやすい膣周辺の皮膚で菌が繁殖しやすい環境となってしまうのです。
そのため、増殖した嫌気性菌によって皮膚感染や湿疹などの肌トラブルを引き起こしてしまいます。
デリケートゾーンという弱点
デリケートゾーンは酸性の膣と弱酸性の皮膚が接する、バランスを保つのがとても難しい場所です。また、頻繁に洗浄できない部位という弱点があります。
酸性に傾いたとき
肌に酸性の物質が付着した時の皮膚への影響は、酸性の濃度と触れている時間に関係します。
例えば硫酸などの酸性の濃度が濃い物質が触れると、すぐに皮膚炎が起きます。
しかしおりものが短時間皮膚に触れていても大きな影響はありませんが、長時間触れていることで皮膚炎を起こしてしまいます。
手を洗うぐらい頻繁に膣周辺の皮膚を洗うことができたら、刺激性の接触性皮膚炎を防ぐことができます。
アルカリ性に傾いたとき
肌はアルカリ性に傾くと、弱酸性に戻ろうとするアルカリ中和能という機能が働きます。
しかしアルカリ性の物質が触れ続けていると、この機能が働くなってしますのです。
アルカリ性に傾いたままの抵抗力の弱い肌は、湿疹などを起こしてしまいます。
こう考えると、生理中はナプキンよりタンポンの方がデリケートゾーンを清潔に保つことができることが分かります。
デリケートゾーンのpHを弱酸性に維持するために
肌を清潔に保つ
おりもの、生理による血液など肌のpHバランスを乱す物質に長く触れる環境を作らないことが大切です。
おりものシートや生理用ナプキンは頻繁に交換するほか、ウォッシュレットを利用して汚れを洗い流すのも効果的です。
ただしウォッシュレットで注意したいのが洗い流しすぎです。これは体を洗う時も同じですが、膣の正常なpHは3.8~4.5の酸性です。
膣まで洗いすぎてしまうことで、pHがアルカリ性に傾いてしまっては殺菌力を失い、嫌気性菌を繁殖させてしまうことになります。
生活習慣の改善
まずおりものの分泌自体を抑えるようにすることが根本的な解決方法ですよね。
食生活の乱れ、ストレス、睡眠時間が短くなることなど、基本的な生活習慣の乱れがホルモンバランスを乱し、おりものの分泌を狂わせてしまいます。
正しい生活習慣というのは美容にとってもっとも効果的な方法です。
最後に
体のpHを理解し、肌のpHを弱酸性に保つことを意識するというマニアックな内容でした。
体のどこかに湿疹や皮膚炎ができた時に、肌のpHが乱れてる!と考えると解決策がみえてきたりしますよ。