肌の色の多様性と日焼け。

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医療機関に身を置く、美容、コスメ、美しい事・モノに銭をつぎ込む3児のワーキング母。荒れた生活から脱却し、ナチュラル・オーガニックの世界にのめり込む一方、紫外線対策のためにゴツいサンバイザーをするような生活はしたくない、そんなナチュラルな美容を追求してます。

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日焼けについて、どのようなイメージがありますか?

日本では、白い色は美しさの象徴とイメージをする人が多いそうです。そのため肌に関しても、白さを追求する行動が活発です。

日焼けの原因となる紫外線を徹底的にブロックするためなら、何だって身につけてやる!といった意気込みのある方が多いのではないでしょうか。

それはそうです、現代の紫外線は強すぎます。皮膚の病気やシミ、シワを引き起こしてしまうため、紫外線を防ぐ必要があります。私が紫外線ケアをする理由はここにあります。

今回は日焼けを考えるうえで、肌の色についての話をしたいと思います。

目次

肌の色について

肌の色の違いはメラニン色素

シミやそばかすの原因といわれ、悪者扱いされがちなメラニン色素。

肌は紫外線による刺激を受けると、表皮の基底層にあるメラノサイトが周囲にあるケラチノサイトにメラニン色素を分配し、防御する働きをします。強い紫外線を長時間浴びるほど防御反応は活発になります。

メラニン色素には、ユーメラニン(黒色メラニン)とフェオメラニン(黄色メラニン)の2種類があり、この2種類のことをメラニン色素とよんでいます。生まれもった肌の色・髪の色は、この2種類の比率により決まります。

黒人やアジア人は黒~褐色であるユーメラニンの比率が多く、白人は黄色や赤い色を示すフェオメラニンの比率が多いのです。 

居住地による肌の色の違い

先住民の肌の色は、赤道に違い地域ほど黒く、赤道から遠くなるほど白くなります。

赤道直下といえば厳しい日差しが照りつける地域。
紫外線ダメージから肌を守るため、紫外線からの防御がより活発な黒い肌の方が長く生存することができました。

一方、赤道から遠くなるにつれ、日差しによるビタミンDの合成という恩恵を受けることができなくなりました。
黒い肌より白い肌の方が日差しを取り込むことができるため、人々の肌は白くなっていったと言われています。

居住地の移動と肌への影響

昔々、先住民たちは新たな居住地を求めて移動しました。開拓精神旺盛な白人たちは、日差しが強い地域にまで移動し、その地に移住しました。
しかしながら、白い肌には紫外線のダメージに耐えるだけの力はなく、多くのそばかすや深いシワが現れ、皮膚がんを発症したと言われています。

白い肌が紫外線による影響を受けやすとされる理由が、肌の色に関わるユーメラニンとフェオメラニンの作用の違いです。
ユーメラニンは光を防ぐ効果があるといわれているのに対し、フェオメラニンは紫外線を防ぐ力は弱く、逆に酸化の原因である活性酸素の生成を促進させてしまうためです。

白人に皮膚疾患が多いのはこのためと言われています。

紫外線の影響

炎症と日焼け

紫外線による肌への影響としてすぐに現れるのが、皮膚の炎症。

紫外線を浴びると、赤くなる人もいれば、赤くならずに黒くなる人とそれぞれタイプが異なります。
これがユーメラニンとフェオメラニンの保有比率の違いです。

肌が白くフェオメラニンが多い人の場は、赤くヒリヒリとすることが多いのに対し、ユーメラニンが多い人は、赤くならずに黒くなることが多いのです。

シミ

紫外線を浴びると、防御反応としてメラニン色素を合成します。

メラニン色素は通常、肌のターンオーバーによって垢となって排出されますが、ターンオーバーが乱れると、メラニンは排出されずに蓄積されてしまいます。
蓄積されたメラニンがシミの原因となります。

シワ、たるみ

紫外線を防ぐ力が弱いフェオメラニンを多く保有する人のほうが、シワやたるみが現れやすいと言われています。

肌のハリや弾力を維持するコラーゲンなどの組織は、表皮の下の真皮のさらに下にあります。
紫外線の刺激がそこまで到達し、コラーゲンやヒアルロン酸などの組織にダメージを与えたり、異常な弾力繊維の形成を促進させることで深いシワの形成と肌のたるみなどの老化を引き起こしてしまうのです。

皮膚疾患

紫外線を浴びることは、複雑なメカニズムを経て皮膚癌などの疾患に起因するということが分かっています。

特に紫外線を防ぐ働きが弱いフェオメラニンの保有比率が高い白人ほど皮膚への影響が大きいと言われています。

最後に

気候による影響を受けやすい人体。その体を保護するように覆う皮膚。

体を保護し長く生存できるよう、その土地に順応するように進化した皮膚。

私の肌の色は黄色人種といわれるアジア人の色。日焼けをすると、赤くなるよりすぐ黒くなるタイプなので、ユーメラニンが多い肌ということです。

すぐに黒くなるため、華奢で繊細なイメージである白い肌を憧れる時期もありましたが、今は白さを求めません。

自分の肌色は、先祖から受け継いだ、アジアの気候を生き抜くために必要な要素であると捉えているからです。

ただ、現代の紫外線は強すぎます。様々な皮膚疾患、シミやシワを引き起こしてしまうため、サンスクリーンを使って紫外線によるダメージを防ぐ必要があります。

私が行う紫外線ケアは、白い肌をキープすることが目的ではなく、紫外線による皮膚疾患やシミやシワを予防することが目的。白い肌より、むしろ夏は日焼けしたいぐらい。そのため少々雑になりがちなのです。

世界的にみると、日焼けに対する考え方は様々で、白人はわざと日焼けをします。これは日焼けした肌が、バカンスを楽しんだ証だから。

セルフタンニングで日焼けした肌を演出することもあります。

また、「ホワイトニング」「ブライトニング」製品を取り扱わないブランドが増えていて、肌の色に対する美意識も変わってきています。

紫外線ケアをしっかり行いながらも、肌の色の多様性を受け入れるバランスのとれたスキンケアを取り入れていきたいと思うばかりです。

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